rimworldプレイ記録04「帝国の貴族」
雨上がりからしばらくして、知恵の砦に隊商が訪れた。
ウマや牛を多くつれた家畜商人だった。
どうだった?
駄目でした。買い取れるようなものは殆どないそうです。
『殆ど』?
コンポーネントなら買い取っていいと。
それは駄目だよ。あれは研究にも他にも入用だからね。
次までに何とか交易品を用意するしかないですね。
この集落に産業と言えるものは無いが、肉目当ての狩猟のお陰で皮革ならある。
それを服なりに加工すれば、必要な医療品を賄えるようになるだろう。
幸い、旅の習いでアスキアには裁縫の心得もあった。
食事の準備があるヘイデンとリディアの手を他に向けさせる必要もない。
「そこなるもの余を助けよ」と叫びながら逃げる人物が居た。
誰か……居る。
ひどい慌てようですね。あの人。
ありゃ確か『ジーニー』って奴ですよ。
転んだだけで死んじまうって話です。
ああ。だから、あんなにも……
見殺すことも無いでしょう。犬も一匹だけみたいですし。
何だい、さっきから。騒がしいね。
母さん。シドニア侯が是非お礼をしたいと。
シドニア?侯?あたしは貴族なんか嫌いだね。
あんたが適当に相手しな。
いや、それが……家士に取り立てたいらしく。
貰えるものだけ貰って、とっとと帰らせな。
閣下ってお呼びした方がよろしいですか?
シドニア侯の家士にしてクルタノス派法官のアスキア殿。
ええ、構いませんよ。『坊ちゃん』以外なら何でも。
冗談です。
そんなことより。これ、友好の証だとかであの隊商が。
これは……本当に?あ、ああ。ありがたい……
アスキア殿、それは?
ああ、これはシドニア侯に持たされて。